前回の3学期期末と比較すると
国語 66→66
数学 41→67
社会 35→71
理科 32→46
英語 54→63
合計で85点アップ
塾史上、たった1回のテストを経てここまで得点を上げた子は初です。
そんなAさんですが、実は1年生の頃は成績が伸び悩んでいました。
「このままでは塾を辞めるかもしれない」
テストが近づくとそう言って自習室に来るのですが、あまり気乗りしない状態。
そうして1年生が終わり、
最後のチャンスとして3月から春休み期間に自習室に来て、
そのうえで塾のテストに合格したら続けていいよ
そんな具合でした。
もちろん、いまAさんが塾に通うことができているのは、その期間にちゃんと自習室に通って、テストを突破したからです。
そんなAさんは今年度から始まった毎回の英単語テストでも着々と力をつけ始めて、
ほとんどできてない→半分できる→あと少し→合格
こんな具合にステップアップをしていました。
「この子は大丈夫だな」
そう僕が思ったのは、英単語テストで合格ができるようになってきたときと、超絶特訓にて中2生の誰よりも長時間取り組んだ5月の頭でした。
・3月から始まった自習の習慣
・英単語テストの結果
・超絶特訓にて誰よりも頑張れたこと
それら全てが、Aさんの自信となったのでしょう。
「私には無理だ」「あの子は元々できるから」
そんな言葉がAさんの口癖でしたが、劇的に変わったことがありました。
それは、同学年でいつもトップ10にいる男の子に、
「社会ってどうやって勉強してるの?」
と聞いたことでした。
これまでは
「あの子は元々できるから」と耳も貸さなかったAさんが、その時初めて彼に勉強法を聞いたのです。
もちろん彼は快く自身のやり方を共有してくれましたが、あの日のあの決定的な瞬間が、印象深くそして鮮明に僕の中に残っています。
これには2つの側面があります、
1つ目は、Aさんがトップ10入りの彼との壁や境界をなくし、自身の延長として捉えられるようになったこと
2つ目は、自身の現状を客観的に捉えて、その上で自分のプライドを捨てられたこと
「自分にはできない」とやる前から言葉にすれば逃げ道ができます。
そうやって、多くの人が自分を守るために保身する。
これまでのAさんもそうでした。
でも、Aさんは地道に積み上げた努力と困難を成し得た自信によって、その殻を破ることができたのでしょう。
昨日もテストを見せながら僕に、
「先生、数学はもっととれたはずです」
とまだまだ上を目指そうとしていました。
1年生の頃は、やらされる勉強に囚われて、ただ闇雲に、勉強したつもりではいた。でも、結果は一向に出ない。
真っ暗なトンネルを行き先も分からずに歩んできたことでしょう。
でも、今回のAさんは目的地にスポットライトを当て、さらに自身の手にもランプを持って、一歩一歩先を見据えながら歩むことができた。
彼女が自身の力で掴んだ結果です。
この一歩はAさんの人生にとって、とても大きな一歩になるでしょう。
Aさんへ
本当によくやったね。
二人三脚で走って来た柳先生もあの後、とても喜んでいました😌
これからはもう大丈夫。あとは努力の質を修正していく。
この文章を書きながらも、君の苦悩と成長を思うと感動で涙ぐんできます。
でも、ここからです。いつだって「今」を生きるんです。
そして、継続してください。
誰でもできることを誰よりやる
そうやってまた歩んでいきましょう。
保護者様向け
さて、保護者様にお読みいただきたいことです。
それは、今回のAさんの成長には
お母様の「見守る姿勢」があったからだということです。
今年の3月の三者面談より、お母様方には
「温かい声がけ」「信じて見守る」
と何度もお伝えしてきましたが、
これにはAさんの件もあったのです。
現在3期目、のべ60人程を指導してきましたが、
お母様が
「〜なら塾をやめさせます」「〜なら塾に通わなくて良い」
と僕の前で仰られた場合、伸びた子供たちは1人もいません。
「勉強しない」「テストの点が上がらない」というネガティブな要素に対して
「やめさせるよ」「通わなくていいよ」の脅しは
本当に子供たちのやる気を削ぎ、第三者に与えられたゴールに怯えることになります。
ましてや、一番の理解者であると思っているお母様に言われて、安定して学べる子はいません。
「〜したらお母さんやお父さんに申し訳ない」
は、子供たちの中から出てくるのを待つしかないと思っています。
だから、
ポッと出て来る子供たちの成長の芽を逃さないこと。
そのために色々な経験に触れさせること。
うまく育ちそうな芽をゆっくりと暖かく見守ること。
暖かい太陽があるから花は咲くんです。
お母様は子供たちにとって太陽のような存在。
笑顔で晴れた表情ならばのびのびと育ちます。
険しい曇った表情ならばのびのびと育ちません。
どうか、今回のテスト結果で、もしお母様が納得できない点数であったとしても、子供たちの結果を責めないでください。
少なからず努力はしています。
その努力を修正し、自身の力で走れるようにしていきましょう。
自学・自立・自走
です。
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